前立腺情報局

前立腺の人体断面図

前立腺肥大

前立腺のトラブルの中で、比較的多く見られる前立腺肥大について紹介していきましょう。どのような症状があるのでしょうか。前立腺肥大と前立腺がんの症状は、似ているものもありますので、前立腺肥大だと思っていても、症状の進んだ前立腺がんの場合もありますので、特に注意が必要です。

前立腺肥大症の症状

前立腺肥大には3つのタイプがあり、側葉肥大・中葉肥大・側葉肥大+中葉肥大があります。前立腺の大きさはクルミ大で、重さも20g前後ですが、50代を過ぎる頃から肥大が見られ始め、70代を過ぎると10人に7人は前立腺肥大の症状が見られます。男性ホルモンが関係していると考えられていますが、まだ肥大する原因は明らかにされていません。では具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。典型的な症状は、やはり排尿障害が起こります。排泄される尿が細くなり、排尿し終わるまでの時間が長くかかるようになります。症状が進むと尿を出すことができなくなります。便秘や胃の薬で、これらの症状が悪化することもあります。詳しくは【日常生活の注意】で取り上げていますので、参考にしてください。同じく、お酒を飲んだり自転車に乗ることで症状が悪化する場合もありますので注意が必要です。前立腺肥大の症状は第1期、第2期、第3期と3つに分けられます。

第1期:膀胱刺激期

第1期にあたる膀胱刺激期には、排尿の数が増加します。特に、夜間に3回以上お手洗いに起きるようになるでしょう。更に、我慢しきれずに間に合わない感覚を覚えるようになり、切迫性尿失禁と呼ばれる、お手洗いに行く前に尿が漏れてしまうようになります。軽い排尿困難になり、便器を前にしても中々尿が出てこなかったり、ようやく出てきても尿が中々出し終わらないなどの症状が出てきます。

第2期:残尿発生期

第1期から症状が進むと、更に違った症状が出るようになります。腹部に力を入れなければ尿を出すことができなくなります。膀胱にも50〜100mlの尿が残るようになり、それまでは夜間の頻尿だったものが、昼間も頻尿になります。そして、尿が全く出ないと言うことが突然起こります。これは、極度に緊張したとき、お酒を飲んだとき、長時間座りっぱなしのあとに出やすいことが報告されています。

第3期:慢性尿閉塞期

第3期になると、膀胱が収縮しづらくなり、尿意を感じたり排尿したりする働きが低下してしまい、自分の意識とは別に尿がダラダラと漏れてしまうようになります。

前立腺肥大の検査方法

【病院での前立腺検査】で紹介しましたが、前立腺肥大が疑われる場合、国際前立腺症状スコアというもので、点数によって評価されます。この点数で前立腺肥大と評価されると、更に詳しい検査が必要になります。直腸内指診、エコー検査、腫瘍マーカー、膀胱内圧などが調べられ、前立腺肥大と確定されます。排尿に関することですので、これらの他に、腎機能や尿管を調べる、腎臓や尿道の造影剤検査、残尿量検査、尿流量測定などが行われます。

前立腺肥大の治療

前立腺肥大の治療は、内科的に行うものと、外科的に行うものがあります。前立腺肥大第1期と第2期の患者さんには内科的治療が施されます。内科的治療の効果が見られない人、前立腺肥大第3期の人は、外科的な治療が施されます。内科的治療は、 α1ブロッカーや抗男性ホルモン剤、抗コリン剤や抗ムスカリン剤、植物エキス配合剤、漢方薬などが使われます。

外科的治療

外科的治療には様々な方法がありますが、前立腺摘出術以外のものは開腹しないで処置されます。

レーザー治療

内視鏡を尿道から入れ、前立腺の肥大した部分を内視鏡の先端から出るレーザーによってやいてしまいます。

高温加熱療法

尿道から細いカテーテルと呼ばれる管を入れ、カテーテルからマイクロ波を発生させ、前立腺を50度以上の温度で暖めて、肥大した部分を小さくする治療です。

バルーン療法

尿道からバルーンをいれ、前立腺肥大によって狭くなっている場所で膨らませ、狭くなった尿道を拡張します。この治療の効果は一時的なものが多いです。

尿道ステント・コイル

中があいている筒状になっているシリコンでできたステントや、ステンレスでできているコイルを狭くなっている尿道に入れたままにして尿道を確保するものです。

尿道的前立腺切除術

内視鏡を尿道から入れ、肥大している箇所を電気メスで焼き切ります。開腹する必要がないので最も多く行われている方法です。